全国金満家一覧表 大正元年9月1日発行 

 昭和63年頃に角館町秋田民俗館によって復刻販売されたものです。
 いわゆる長者番付で、納税額をもとにランク付けした資料です。三菱(岩崎)、三井、安田、住友(鴻池)、川崎、浅野、古河、大倉などの八大財閥や、株式会社の祖として知られる澁澤榮一の名が見られます。

 東前頭2段目に、菊地長四郎の名前がありますが、これは佐孝4代目の菊地惺堂氏です。木綿太物卸商として初代淡雅のときに大商人になった佐野屋は、3台目の慧二郎の時代に明治維新を迎え、資本主義経済が発展すると、近代資本家として資本を蓄えます。東海銀行を設立して初代頭取となり、また日本製麻社長、東洋モスリン、八千代生命保険、東亜製粉、四十一銀行、富士製紙各会社取締役、内外印刷会社相談役、横浜倉庫会社監査役等に挙げられるなど、多くの会社の大株主となり企業の役員に名を連ねるようになります。明治30年には多額納税者選挙によって貴族院議員に当選し議員を二期勤めました。
 惺堂氏は、大橋正壽の長男晋二であり、菊地家の長女イトを妻として菊池家の養子に入りました。晋二は慶應三年七月生、養父の没後家督を相続して長四郎を襲名します。呉服商を営むと共に、実業界に入り、東海東海銀行取締役の外、凸版印刷、日本共立火災、東京三興会社各取締役、下野電気鉄道監査役に任じ、また日本橋区会議長に挙げられ、父子二代区政に貢献しました。

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